Hip Hop(ヒップホップ)に暴力はなしだろ。

雑学関連

この言葉は、フリースタイルリーグトライアウトという企画で、出演者同士で揉め事となり、手が出てしまった出演者に対して、ラッパーのパイオニアであるZeebra(ジブラ)さんが発した言葉です。

こんにちは!ひなぴー7のおすずです!今日はこのタイトルの言葉をみなさんにもお伝えしたいと思い記事を書いています。みなさんはヒップホップに対してどんなイメージがありますでしょうか?名前だけは聞いたことはあるし、ビジュアル的なイメージはあるけど詳しくはわからないという方も多いと思うので説明させていただきます。

そして、この記事を見た方が少しでも興味を持っていただき、ご自身の趣味が広がっていただけたら幸いです。

尚、ヒップホップについては様々な討論がすでにされており、これだと断定できる定義は確立されていないため、この記事はあくまで記者の一つの意見であるという前提で読んでいただければと思います。

■ ヒップホップって何?

「ヒップホップ」って??と言われると、音楽の一種だよねとか、ダンスのジャンルでしょ?というように、何かの大枠の中の種別なイメージを持っている方が多いと思いますが、

ヒップホップは文化の一種です。

何かのグループに含まれる小さなカテゴリではなく、文化そのもの、又は思想の一種であると思っていただければと思います。ヒップホップとは?と調べると必ずと言っていいほど目にする情報として、

アフリカ・バンバータ(Afrika Bambaataa)というDJがいるのですが、彼が生まれ育ったアメリカのブロンクスという地域ではギャングたちが抗争により互いを傷つけあっていました。それを環境を変えるべく、彼は声をあげ、「暴力ではなく文化で競え」と提唱したのです。

そして、その時に具体的に提案されたものを、通称ヒップホップの三大要素(四大要素)なんて言われているのですが、

三大要素】
・DJ      … 過去の記事:DJって何をやっているの?
・グラフィティ … バンクシーのように壁などに絵や文字を描くこと。
・B-boyin’   … オリンピック種目のブレイキンのこと。
四大要素】(上記に加えて)
・MC      … Zeebraさんのようなラッパーのこと。

となります。最近、Youtubeやテレビなどでラッパー同士がお互いラップをし合ったり(フリースタイルバトルなんて言ったります。)、オリンピックで開催されたブレイキンも1対1で行ったりと、競い合うものが目立ちますが、それはアフリカ・バンバータの提唱通り、本来は傷つけあっていたものを別の形でやり合おうとなっため、競い合う形式が取られているのです。

そしてここがポイントなのですが、

ヒップホップは定量的な評価がされるべきものではなく、個の表現や主張そのものである。

です。ちょっと難しいですね、説明します。

まずはラップで説明すると、それぞれのラッパーが一定のルールに則っり1対1で勝負をします。そのルールの詳細は割愛しますが、そのルールに則ってどれだけ相手の悪口を言えるのかで勝敗が決まります。(ちなみにこの説明は知らない方になるべく理解していただけるように記載にしていますので、この説明をそっくりラッパーにしたら炎上します。笑)

そして、その悪口には特に点数などは決められていません。ではどうやって勝敗が決まるのかといると、ラップの大会では審査員が数名いるのですが、その勝負の内容を聞いて心に響いた方に票が入り、多数決で勝敗が決まります。

え?それって、同じ内容の勝負があっても審査員が違えば勝敗も違う可能性があるってこと??
はい、その通りです。

ブレイキンもそうで、さすがにオリンピックではある程度明確な基準を委員会で設けていたようですが、一般的な大会では難易度の高い技だけをこなせば勝てるかといえばそうではなく、総合的にかっこ良かった選手が勝ちます。

かっこ良かったって何を基準に?? はい、審査員の主観です。

繰り返しになるのですが、ヒップホップは個の表現や主張です。それが正しいか間違えているかなんて、誰にもわかりません。ただ、多くの人を引き付けたり魅了するのであれば、その表現はみんなにとって素晴らしいものであることが確かです。

私はブレイキンがオリンピックの種目になることに対して複雑な気持ちでした。ヒップホップは1位2位といった絶対的な立場を獲得するよりも、本当に大事なことはリスペクト(尊敬)を得ることであると私は思っています。ヒップホップという文化の中で同志にどれだけの影響を与えることができ、新たに文化に参加してきたものが、あの人はかっこ良い、あの人みたいになりたいと思わせることができるかが重要だと思います。

■ ヒップホップにおけるファッション

みなさんはヒップホップのファッションについてどういったイメージがありますか?おそらく多くの人がダボっとしたオーバーサイズを着ているイメージがあると思います。確かに、そういうファッションをしている人もいますが、実は意味があります。今回はその一部を紹介します。

その前に、みなさんは ”B系” と ”B-boy” というそれぞれの言葉を聞いたことがありますか?その中で、B系はオーバーサイズのファッションをする傾向にあります。その理由は、それぞれのBの定義にあります。

【Bの定義】
・B系 … Bad(バッド)系
・B-boy … Breakin’(ブレイキン) boy

となり、実はもともとB-boyはブレイクダンスをする人のことを指していました。ただ、今ではB系ファッションをする人のこともB-boyと呼ばれるようになりましたが、それぞれBの定義が異なっています。それを説明した上でご紹介すると、

・ オーバーサイズを着用する理由(B系)
例えばギャングなどは拳銃を持ち歩いたりしますが、その時にピッタリした服装でポケットなどに入れていると形でばれますね。また、カバンに入れてはいざ使いたい時にすぐに出せませんね。なので、オーバーサイズの服を着て見られてはいけないものを身に着けています。

また、B系ファッションの服はものによっては脇の下など、なんでこんなところにファスナーがついているんだ?なんてデザインのものもあったりします。実はそれが違法薬物などの見つかると不都合なものを隠せるような仕様になっているからです。

または、単に貧しくて着る服が買えずにお下がりを着ているため、身の丈に合わないサイズになっているという説明も合理的です。

・ パンツの片足だけをまくっている理由(Breakin’-boy)
これはB系と逆で、自分は拳銃なんて隠し持っていませんというアピールで、私は正々堂々と文化で競い合いますという意思表示をしています。なので、オーバーサイズを着ているのに片足だけまくっている人を見ると、私は ”??” となってしまいます。ただ、前述のようにヒップホップは個の表現なので、それはそれでその人の意味があるのかもしれません。

また、B-boyは必要以上にオーバーサイズを着用しません。何なら、体育の時間の時に来ていたジャージと同じようなフィット感どころか、人によってはぴたっとしたタイツでブレイキンをしている人も昔の映像で見たことがあります。なので、別に普通のファッションだったとしてもB-boyと名乗ったら、その方はB-boyです!

ただこちらも、貧しいがゆえに服のサイズが合っていないものを着ているということは説明として合理的です。

■ まとめ

ヒップホップは本来殺伐とした環境を改善すべく提唱されたものです。なので、暴力を働くことは私としてはヒップホップを作り上げた方や現在作り上げていっている方に申し訳ないなと思ってしまいます。

最近の国内におけるヒップホップアーティストがそういった過激なことをやっている姿をしばしば見かけますが、個人的には、その部分に限ってはヒップホップから逸脱しているんじゃないかなと感じます。

確かに、そもそもが競い合うことが前提になっているので、相手をディスリスペクト(見下す)して敵対するというのは問題ないと思います。そうでなければバトルにまで発展しませんからね。そして抗争ではなく文化で競い合った結果、勝ち負けではなくお互いのスキルを認め、最終的にはリスペクト(尊敬)し合い、それがどんどん広まることでピース(平和)になることを、アフリカ・バンバータは願っているのではないかと察しています。それがヒップホップだろ!と。

なので、ヒップホップはもともとは悪いことをしていた人たちが方向転換したものなので、見た目は怖そうなヤンキーの集いのように思えますが、本物のヒップホッパーを見たらヒップホップを知らない方でさえも魅了されると思っています!

ヒップホップに暴力はなし!あくまで文化の上で相手と競い、互いを認め合ってピースな社会にしていきたいですね!今回も読んでいただきありがとうございました!

【過去の記事】よろしければご一緒に読んでみてください!
DJって何をやっているの?形式によって異なるDJの操作!~音楽番組編~
DJって何をやっているの?形式によって異なるDJの操作!~クラブ・ディスコ 編~

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